公益社団法人 日本精神神経学会

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見解・提言/声明/資料|Advocacy

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する理事長声明

更新日時:2020年4月21日

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が猛威を振るい、我が国でも、累計感染者数は1万人を超え、多くの方々が苦しみ、そして亡くなられました。物故者のご冥福をお祈りしますとともに、ご遺族の方にはこころより哀悼の意を表します。

 残念ながら感染の拡大を食い止めることができず、4月16日には全国に緊急事態宣言が発令されるに至りました。一部の地域では、一般医療現場が崩壊の瀬戸際に立たされているという実態が報告される中、精神科医療現場の窮状に関する情報はほとんど伝わっていません。実際には、精神科病床での感染症対策に追われ、大学病院や総合病院では、精神科病床が感染症治療病床に転用され、しかも外来機能の縮小が余儀なくされています。またリモートワークになり産業精神衛生活動がなおざりにされているなどの情報も伝えられています。
 精神疾患の患者数は毎年400万人を超えており、精神科医は、病院や診療所だけでなく、幅広い領域において、精神科医療、保健、福祉の向上に取り組んでいます。医療関係者および当事者の感染を最小限に抑え、遠隔医療や施設間連携などを柔軟に行い、当事者が必要とする医療を受けられるように努めなければなりません。
 パンデミックの緊急事態宣言下で、当事者の人権や精神科医療が軽視されることがあってはなりません。COVID-19がもたらす国民のメンタルヘルスへの影響は広範で甚大なものがあり、この戦いが長引くならば、精神疾患の患者数や自殺者数の増加が予想されます。私たちは、情報を共有し工夫を凝らして、これまで築いてきた精神科医療を守らなければなりません。本学会では、COVID-19に関連したメンタルヘルス上の重要情報を収集し、下記のウェブサイトで国民の皆様に提供しています。
 本学会は、引き続き、COVID-19の危機にある全ての当事者と医療従事者の方々を支援して参ります。

2020年4月21日
日本精神神経学会
理事長 神庭重信


URL: https://www.jspn.or.jp/modules/advocacy/index.php?content_id=78

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