公益社団法人 日本精神神経学会

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見解・提言/声明/資料|Advocacy

統合失調症に合併する肥満・糖尿病の予防ガイド

更新日時:2020年6月1日

 統合失調症のリカバリーを考える上で、身体的な健康が維持されることは不可欠な要素です。しかし、統合失調症の当事者では心血管疾患による死亡により平均余命が短く、この対策のために、肥満や糖尿病を予防することが求められております。この点を踏まえ、日本精神神経学会と日本糖尿病学会、日本肥満学会は、統合失調症の当事者における身体的な健康の維持・向上を図るため、3学会合同で「統合失調症に合併する肥満・糖尿病の予防ガイド」の作成に着手し、このほど完成いたしました。

 精神医療の関係者が、身体的な健康に配慮しながら統合失調症の診療を診療するにあたり、肥満・糖尿病の予防・早期発見、さらに精神科と内科の医療連携の確立などに関して、共有すべき事柄を提示した上で、検討事項や留意点を取り上げています。

 この度の予防ガイドの内容は、5章から成り立っています。1章「はじめに」、2章「肥満」、3章「メタボリックシンドローム」、4章「糖尿病」、5章「診療連携」で、構成されています。

 本ガイドは内科医と精神科医による患者様とそのご家族への対応だけでなく、多職種からなるメディカルスタッフの共通理解を促進し、連携・話し合いのツールとなることも目指しています。肥満・糖尿病予防の一般論的記載は、上記2学会の診療ガイドラインや治療ガイドを積極的に引用しています。しかし、活用できる精神科関連のエビデンスが限られ、エキスパート・コンセンサスの域を出ないものも多いことから、予防ガイドとしています。今後も新たなエビデンスや情報を受けてアップデートを計画しており、また、精神科医やメディカルスタッフ向けのガイドだけでなく、当事者やその家族向けのガイド作成についても今後、検討中です。

 

統合失調症に合併する肥満・糖尿病の予防ガイド (6MB)

 

2020年6月
「統合失調症に合併する肥満・糖尿病の予防ガイド」作成委員会
(日本精神神経学会・日本糖尿病学会・日本肥満学会)

 

※「統合失調症に合併する肥満・糖尿病の予防ガイド」は書籍としても刊行いたします。詳細は学会刊行書籍ページをご覧ください。

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