この度の能登半島地震におきましては、亡くなられた方々には衷心からお悔やみを、また被害に遭われた方々にはお見舞いを申し上げます。
令和6年の新年を迎えて間もなく大きな天災が生じ、被災地の皆様は大変な思いで懸命のご努力をされていることと拝察いたします。われわれ日本精神神経学会としても、あらゆる手段を講じて被災地の皆様の支援を行っていきたいと思います。
現在の厳しい状況を考えますと、被災地の多くの皆様がつらい気持ちを抱いたり、眠れなくなったり、強い不安を感じたりするのは当然のことと思います。しかし、これまでのさまざまな被災の経験からも、時間が経ってくればこの困難な時期は必ず乗り越えられることが示されています。
一方、災害の後のこころの問題は直後ではなく、むしろ少し時間が経ってから出てくるということもあります。そのような際に重要なことは、地域の中で一人ではなく、皆で支えあっていくということだと思います。もちろん地域の方々ご自身で助け合っていくことが何より重要ですが、われわれ日本精神神経学会も関係諸機関を通じて皆さまに少しでも役に立てるよう努力してまいりたいと思います。特に、不眠、不安、気分の落ち込み、苛立ち、こころの疲れや動揺など、症状がしばらく続く場合はぜひ地域の医療機関にご相談ください。メンタルケア、医療についてはわれわれ日本精神神経学会も被災地区の医療機関を支援していく所存です。
ご自身が被害を受けながら救援、復旧活動に従事しておられる方々に対しては格別の支援が必要と考えております。災害時には様々な風説が流れ、かえって不安が高まってしまうこともあります。支援に当たる医療従事者におかれましては、信頼できる情報源を参照されますようお願い申し上げます。以下にそのようなサイトを挙げておきます。
2024年1月5日
日本精神神経学会
理事長 三村 將
(出典:ストレス・災害時こころの情報センター(国立精神・神経医療研究センター)「支援者の方へ」)
(出典:ストレス・災害時こころの情報センター(国立精神・神経医療研究センター)「支援者の方へ」)
・令和4年度版 新型コロナウイルス流行下におけるメンタルヘルス問題への対応マニュアル
(出典:東北大学災害科学国際研究所「被災地支援/プロダクト」)
(出典:東北感染症危機管理ネットワーク「被災地支援/プロダクト」)
(出典:東北大学災害科学国際研究所「精神科病院 防災と災害時の行動ヒント集」)