学会活動Activity

国際学会発表賞(受賞者一覧)

平成28年度 受賞者

個人発表部門

【受賞者】沖田 恭治

【発表概要】
・国際学会名:Dopamine 2016
・発表演題名:Sex Difference in Midbrain Dopamine D2-Type Receptors in Association with Nicotine Dependence
・発表内容:喫煙行動における性差は広く知られており、脳機能研究でも喫煙者内での性差の報告は多い。男性喫煙者群で線条体のドパミンD2受容体(D2R)バインディングポテンシャル(BP)は非喫煙者群より低いが、女性では群間差はない。さらに男性は女性よりも喫煙による線条体でのドパミン分泌が大きい。中脳のD2Rの多くは、ドパミン神経細胞樹状突起上の自己受容体であり、線条体でのドパミン分泌の抑制作用をもつ。本研究ではD2Rに高い親和性をもつ[18F]fallyprideとポジトロン断層法(PET)を用い、喫煙者群(11M, 7F)と非喫煙者群(10M, 9F)における中脳及び線条体のD2RBPを計測した。中脳D2RBPへの性別・群間交互作用が有意で、喫煙者群内で女性は男性より高いD2RBPを示したが、非喫煙者群では性差は認めなかった。中脳D2RBPは女性喫煙者群でのニコチン依存症スコアと相関したが、男性では有意でなかった。
 

【受賞者】加藤 秀一

【発表概要】
・国際学会名:The 22nd International Association for Child and Adolescent Psychiatry and Allied Professions World Congress
・発表演題名:Child and adolescent psychiatry: Overview of training system and update situation in Asian countries
・発表内容:発展途上国においても、先進国においても、児童思春期の精神保健サービスへの需要は増してきている。しかしながら、多くの国においては、増える需要に対して供給が追いついていない。児童思春期精神科研修は、そして一般精神科研修もまた、その需給ギャップを埋めるために重要である。アジア地域は、全体としては若年人口が多く、経済的にも文化的にも著しく発展している地域である一方で、東アジア地域は高齢化が問題となってきており特性が異なる。これまで、アジア地域の児童精神科研修についての報告はあまりなされていない。本発表では、日本、台湾、タイの3カ国から若手の児童精神科医が、それぞれの国の、児童精神科研修を中心とした卒後研修の現状と課題について発表した上で、議論を深め、それぞれの良い点や課題を知り、自国の研修をよりよいものとするための気づきを得ることを目的とした。
 

【受賞者】高江洲 義和

【発表概要】
・国際学会名:American Academy of Dental Sleep Medicine, 25 th Anniversary Meeting
・発表演題名:Mandibular Advancement Device as a Comparable Treatment to Nasal Continuous Positive Airway Pressure in Patients with Positional Sleep Apnea Syndrome.
・発表内容:閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAS)に対する口腔内装置(MAD)の治療効果は、持続陽圧呼吸療法(CPAP)に劣ると考えられているが、体位依存性OSASに対して奏功しやすいという報告も存在する。本研究では、「体位依存性OSASに対するMADの治療効果はCPAPと同等である」という仮説を検証した。終夜ポリグラフ検査によりOSASと診断された体位存性OSAS患者を対象とした。対象者を以下の4群に分け、治療後AHIを共変量分散分析により比較した;体位依存性OSASのMAD治療群(26名)、体位依存性OSASのCPAP治療群(32名)、非体位依存性OSASのMAD治療群(12名)、非体位依存性OSASのCPAP治療群(17名)。初診時AHIの影響を共変量で除外した結果、体位依存性OSASのMAD治療群の治療後AHIは、体位依存性OSAのCPAP群、体位非依存性OSASのCPAP群の治療後AHIとの間で有意差を認めず、非体位依存性OSAS群の治療後AHIのみ他の3群より有意に高かった。以上より、体位依存性OSASに対するMAD治療は、CPAP治療と同等の効果があることが示された。
 

【受賞者】髙宮 彰紘

【発表概要】
・国際学会名:International Society for ECT and Neurostimulation Annual Meeting
・発表演題名:ECT Modulates Intralimbic and Corticolimbic Information Flow: Partial Granger Causality Analysis of Resting EEG
・発表内容:うつ病では多くの脳部位の結合性の異常が認められている。重症のうつ病に対して電気けいれん療法(ECT)は最も高い有効性と即効性が認められているが、その作用機序には不明な点が多い。今回我々は治療抵抗性うつ病10名に対しECTを1コース施行し、その前後で安静時脳波による評価を行った。先行研究からうつ病で異常が指摘されている膝下帯状回(SCC)、背外側前頭前野(DLPFC)、内側側頭葉(MTL)、楔前部(Pcu)、内側前頭前野(MPFC)に関心領域を設定し、これらの部位間の電気的活動性の結合性に関して、eLORETAによるpartial Granger因果解析を行った。結果は、ECTは膝下帯状回(SCC)から背外側前頭前野(DLPFC)の結合性を上昇させ、SCCと内側側頭葉(MTL)の両方向性の結合性を減少させた。本研究は、ECTがうつ病で異常が示されている皮質と皮質下・辺縁系の活動性・情報の流れを是正することを示唆している。

シンポジウム組織部門

【受賞者】鳥塚 通弘

【発表概要】

・国際学会名:World Federation of Biological Psychiatry 2016
・発表演題名:Multimodal studies of excitatory and inhibitory signaling balance in schizophrenia and autism
・発表内容:統合失調症患者や自閉症患者の行動学的特徴に対しては、様々な研究から遺伝要因の関与が示唆されているが、他の多くの精神疾患と同様、その生物学的な病態は未だ不明である。一つの仮説として提唱されているのは、興奮/抑制シグナルバランス(E/Iバランス)の破綻である。興奮性シグナルの過剰や抑制性シグナルの減少によってこの破綻がもたらされるが、これまでの研究で、これらE/Iバランスの破綻が、統合失調症や自閉症でみられる社会性や認知機能の障害につながることが示されている。本シンポジウムでは、基礎神経科学研究を行っている4人の臨床精神科医が、それぞれの専門分野(死後脳研究、iPS細胞研究、動物モデル、電気生理学)から見たE/Iバランスの観点から考える統合失調症と自閉症のメカニズムについて述べた。

平成27年度 受賞者

個人発表部門

【受賞者】竹内 啓善

【発表概要】
・国際学会名:23rd European Congress of Psychiatry (EPA 2015) 
・発表演題名:The Effect of Antipsychotic Dose Reduction on Cognition
・発表内容:認知機能障害は統合失調症の中核症状であり、社会機能障害にも密接に関連しているが、いまだ治療法が確立していない。抗精神病薬は認知機能障害に対して有効とされる一方、定型・非定型薬を問わず、健常者でも統合失調症患者でも認知機能障害を惹起することが示されている。本発表では、抗精神病薬の用量と認知機能障害に関するエビデンスを概観し、また抗精神病薬の減量が認知機能に及ぼす影響について考察する。高用量の抗精神病薬および過剰なドパミン受容体遮断は、たとえ非定型抗精神病薬であっても認知機能を悪化させる。さらに、最近の無作為化比較試験では、安定した統合失調症におけるリスペリドンまたはオランザピンの半分までの減量は、再発のリスクを高めることなく認知機能を改善することが報告されている。これらの結果は、認知的副作用の予防または最小化のためには、抗精神病薬は必要最小用量での使用が望ましいことを示唆している。

【受賞者】岩田 祐輔

【発表概要】
・国際学会名:70th meeting of the Society of Biological Psychiatry 
・発表演題名:Effect of glutamatergic modulators on cognitive impairment in schizophrenia: systematic review and meta-analysis.
・発表内容:統合失調症において、認知機能障害は中核症状の一つであり、社会機能低下の重要な予測因子である。従来のドパミン仮説に比し、グルタミン酸仮説は認知機能障害を含め統合失調症の病態を包括的に説明するため、グルタミン酸神経系は新たな治療目標として期待されてきた。現在までに数多くの研究でグルタミン酸系作動薬の認知機能障害に対する効果が検討されてきたが、報告は一貫していなかった。本研究ではメタ解析によりグルタミン酸作動薬の統合失調症における認知機能障害に対する効果の検証を行った。2015年2月までに発表されたグルタミン酸系作動薬を使用したプラセボ対照二重盲検比較試験17報を解析の対象とした。認知機能への効果は総合認知機能に加え8つの下位認知機能について検討したところ、グルタミン酸系作動薬は総合認知機能においても8つの下位認知機能においても統合失調症の認知機能障害を改善しないことが明らかになった。

【受賞者】長 徹二

【発表概要】
・国際学会名:WPA REGIONAL CONGRESS OSAKA Japan 2015  
・発表演題名:Our support activities in a stricken area -Overcome the difficulties "Stigma of alcohol dependence"(Symposium 6 Disasters and addictive behaviors: experience of the great east Japan earthquake)
・発表内容:宮城県石巻市では、東日本大震災後に精神保健相談におけるアルコール関連問題の割合の増加が認められている。本研究では、それらの問題の支援を行う援助者やボランティアなどに対して、アルコール使用障害をもつものの基礎知識から関わり方に至るまでについて、3か月連続3回の体験学習を伴う研修を実施し、支援者のアルコール使用障害をもつものに対する姿勢の変化について検討した。研修は平成26年3月から5月にかけて宮城県石巻市にある「からころステーション」にて実施し、その参加者の中で66人から回答を得た。結果としては、研修の前後でAAPPQ:alcohol and alcohol problems perception questionnaireの総得点と、下位項目である「仕事満足と意欲」と「患者の役に立つこと」において、統計学的に有意に改善を認めた。併せて、N-VAS:Nawata-Visual analogue scaleにおいて、アルコール使用障害をもつものとの距離感も有意に減少した。このような介入は支援者を通じて、地域のアルコール関連問題の解決に寄与すると考える。

【受賞者】青木 保典

【発表概要】
・国際学会名:Annual Conference on Clinical Neurophysiology and Neuroimaging 2015-Joint Meeting of ECNS, ISNIP and ISBET 
・発表演題名:ELORETA-ICA resting state network activities of Dementia with Lewy bodies and their association with symptoms
・発表内容:レビー小体型認知症(DLB)は、幻視、動揺性の認知機能障害、パーキンソン症状を呈する認知症疾患であり、認知症の約2割を占める。しかし、その病態は不明な点が多い。我々は、先行研究においてeLORETA-ICA解析を用いて、健常者80名の安静時脳波より独立な5つの安静時皮質回路を見出した。今回我々は、AchEI、抗精神病薬を投薬されていないDLB患者44名の安静時脳波120秒をeLORETA-ICA解析し、安静時皮質回路活動量を算出し認知・パーキンソン症状との相関も算出した。結果は、DLBにおいて健常者と比較して、α帯域後頭部活動量の減小、α、β帯域視覚回路活動量の増加、α帯域記憶回路活動量の減少が見られた。さらに、視覚回路活動量の増加は、妄想、幻覚、認知機能の変動の悪化と相関し、感覚運動回路の活動量の増加は、異常行動、認知機能の変動の改善、パーキンソン症状の悪化と相関した。以上のことから、脳波eLORETA-ICA解析は、DLBの健常者との鑑別や病態解明に有用である可能性が示唆された。

【受賞者】吉池 卓也

【発表概要】
・国際学会名:27th Annual Meeting of the Society for Light Treatment & Biological Rhythms 
・発表演題名:Bright Light Facilitates Fear Extinction and Prefrontal Processing for Fear Extinction in Humans
・発表内容:高照度光(bright light: BL)はヒトに対し強力な概日同調作用のみなら認知や情動の修飾作用を示す。BLは概日非依存的に抗うつ作用を発揮するが、BLが不安障害の中核病理を成す情動記憶処理を促進するかはわかっていない。恐怖消去学習は不安障害治療における中心的認知過程であり、前頭前野が恐怖条件付けに関連する辺縁系活動を抑制することにより達成される。本研究はBLの恐怖消去促進効果および恐怖神経回路への影響を検討した。25名の健康成人を、BLもしくは対照光に約15分間、恐怖条件付けパラダイムを用いた恐怖消去学習中に曝露した。恐怖消去学習は概日位相変位が最少となる13時前後に行った。24時間後の恐怖再認課題によりBLの恐怖消去促進効果を評価した。恐怖消去学習および再認課題中の前頭前野活動(機能的近赤外線分光法)および精神生理(皮膚電気抵抗)反応を評価した。BLは想起試験において恐怖反応を有意に抑制する(p= .030)一方、恐怖消去学習中のみならず(p = .020)、想起試験中の前頭皮質活動も有意に減少させた(p = .007)。さらにBLは内側PFCと左背外側PFCの機能結合を強化した(r = .82; p < .001)。これらの作用は気分や睡眠相の変化と独立に誘導された。本結果は、BLが不安障害に対する曝露型認知行動療法の有用な増強手段となる可能性を示唆する。

シンポジウム組織部門

【受賞者】熊崎 博一

【発表概要】

・国際学会名:WPA REGIONAL CONGRESS OSAKA JAPAN 2015 
・発表演題名:Clinical Use of Robots for Individuals with Child and Adolescent Psychiatric Disorders

・発表内容:最近のロボット技術の進歩は目覚しいものがある。児童精神科領域においても、自閉スペクトラム症児のコミュニケーション能力や社会性の改善にロボットセラピーが行われている。ロボットには人間の代わりに仕事をするだけでなく、人間には成しえなかった治療的役割が期待されている。本シンポジウムでは、児童精神科医療及びロボット工学の分野で研究している精神科医及び工学者に、ロボット技術の児童精神医療への応用の現状及び今後の課題について議論した。自閉スペクトラム症児のヒト型ロボットへの反応、「アンドロイド」を用いた場面緘黙症例児へのコミュニケーション改善への取り組み、セラピー用アザラシ型ロボット「パロ」を病棟及び外来に用いて小児のこころのケアを実践している例、コミュニケーション用のロボット「エムスリー・シンキー」を児童精神科外来に取り入れセラピーに用いている実践例について取りあげ、今後の課題について議論した。

平成26年度 受賞者

個人発表部門

【受賞者】鶴身 孝介

【発表概要】
・国際学会名:16th International Society of Addiction Medicine Annual Meeting
・発表演題名:Insular activation during reward anticipation reflects duration of illness in abstinent pathological gamblers
・発表内容:病的賭博は物質使用障害と多くの類似点を持つ。物質依存患者において脳構造・機能が薬物乱用・中断の影響を受けるのに対し、病的賭博患者の脳が賭博行動・中断によりどのように影響を受けるかは未解明である。
23人の病的賭博患者及び年齢と性別を適合させた27人の健常コントロール群に対し、fMRI撮像中に報酬予測課題を施行し、報酬予測時における両群の脳活動の違いを検討した。
報酬予測時に病的賭博群は健常群と比較して、島皮質を含む、報酬系の幅広い領域にて活動性の低下を認めた。病的賭博群ではその際の左島皮質における脳活動が罹病期間と負の相関を示し、左島皮質における脳活動が賭博を中断していた期間と正の相関傾向を示した。
報酬予測時の島皮質の脳活動は病的賭博の進行・回復の程度を予測するマーカーとなる可能性がある。

【受賞者】中神 由香子

【発表概要】
・国際学会名:Pacific Rim College of Psychiatrists Scientific Meeting, PRCP 2014
・発表演題名:Mental health promotion in Japan
・発表内容:日本における自殺率は人口10万人あたり約20人と世界的水準に比べて高い。1998年から年3万人以上の自殺者数が続いたことを背景に2007年には自殺総合対策大綱が策定された。2014年現在、自殺者数は5年連続で減少し年3万人以下となっている。
自殺には多くの要因が関連するが、日本における自殺とその予防施策・活動について重点的に論じた。実例を交えながら日本の現状と課題を提示して議論を行った。加えて、2011年に生じた東日本大震災における心のケアチームの活動も紹介し、日本の精神医療の展望についての提言を行った。

【受賞者】小口 芳世

【発表概要】
・国際学会名:第16回世界精神医学会マドリッド総会
・発表演題名:Is therapist-guided computerized CBT really effective for major depression?: A meta-analysis and a systematic review
・発表内容:認知行動療法はうつ病に対して有効であり、セラピスト不足を解消するためにもコンピューター認知行動療法は有用である。しかし、アドヒアランスに問題があり、個人への対応の観点からも効果に疑念の余地が残る。近年、セラピスト介在型のコンピューター認知行動療法が登場してきているが、その有効性に関しての検証がなされていない。そこで、本研究では文献ベースでの効果の検証を行った。2013年9月までの4つのデータベースを用いて、研究デザインや介入内容に問題のないランダム化比較試験を介入群、それ以外を対照群とした。8つの試験が該当し、対照群に比して、短期(1.5ヶ月から4ヶ月時点)での抑うつ症状が軽減され、その効果は長期(6ヶ月時点)まで維持することが明らかになった。しかし、介入群において、機能面での改善はみられなかった。また6ヶ月時点での介入群と対照群との間の脱落率に有意差はみられなかった。

【受賞者】本屋敷 美奈

【発表概要】
・国際学会名:WPA section on epidemiology and public health- 2014 meeting
・発表演題名:Specificity of CBT for Depression: A Contribution from Multiple Treatments Meta-analyses
・発表内容 :精神療法の効果はその特異的な要素ではなく全ての精神療法に共通する要素によるものだとする主張と、その主張には弱点があり、精神療法の特異的効果は定量化出来るという主張は半世紀にわたり対立している。そこで本研究では、大うつ病に対する治療として認知行動療法(CBT)のプラセボ精神療法あるいは無治療との比較を含む無作為化比較試験を検索・同定した後、変量効果モデルでのネットワークメタアナリシスを行った。結果、CBTに特異的な要素は35.0 %(95%信頼区間-99.5から180.3)と推定された。次に治療効果に影響する因子を調べる為予め同定された因子についてメタ回帰分析を行った所、CBTに特異的な要素は10回以上のセッションを行った場合50.4%(95%信頼区間19.7から85.0)と推定された。本研究では、ある特定の精神療法(CBT)をある疾患(うつ病)に行った所、その精神療法に特異的な要素は0%ではないことが示唆された。

【受賞者】青木 藍

【発表概要】
・国際学会名:The jubilee congress of world association of social psychiatry
・発表演題名:Newspaper Coverage Of Schizophrenia In Japan, During 20 Years Before And After Renaming Of Schizophrenia, 1992-2012
・発表内容:目的:統合失調症の名称変更の影響を新聞記事を通して調査する。
背景:日本精神神経学会は2002年に精神分裂病を統合失調症と改めた。名称変更でスティグマを低減する試みは世界初だが、その効果について十分な検証がなされていない。
方法:全国紙2紙(朝日新聞、毎日新聞)の1992年~2012年までの精神分裂病/統合失調症を含む記事を検索した。記事をポジティブ/ネガティブな記事に分類した。
結果:3043の記事 (790が名称変更前、2253が名称変更後)が該当した。名称変更前では49.7%がポジティブな記事、50.3 %がネガティブな記事であった。名称変更後では48.3%がポジティブな記事、51.7%がネガティブな記事であった。名称変更前後でポジティブな記事の比率の有意な変化は認められなかった (p=0.32)。
結論:名称変更のみでは新聞記事におけるスティグマにつながる記事の軽減には至っていない。

シンポジウム組織部門

【受賞者】石井 礼花

【発表概要】
・国際学会名:The 2nd Asian Congress on ADHD
・シンポジウム名:The neuroimaging studies towards the establishing auxiliary diagnostic tool for ADHD
・発表内容:注意欠如多動性障害(ADHD)は発達の水準に不相応で不適応な不注意や多動性又は衝動性行動を特徴とする障害で、小児期に多く認められる代表的な精神疾患である。 成人期にも約30%に症状が継続することが報告され、適切な時期に適切な治療選択を行う必要性が指摘されている。 治療を行うには、まず適切な診断を行う必要があるが、ADHDには、自閉性スペクトラム障害(ASD)、双極性障害、学習障害など鑑別すべき疾患が数多くある。 そこで、診断のための客観的な指標が必要である。 そこで、今回我々のシンポジウムにおいて、脳画像の手法を用いてADHDの診断のための客観的指標の開発に結び付くような研究発表を企画した。 安静時の機能的磁気共鳴画像と構造画像を用いたADHDと定型発達児の判別を目指した研究、また、読字障害とADHDの注意機能ネットワークの共通点と相違を見出す研究、また、成人ADHDとASDを光トポグラフィーを用いて鑑別する事を目指した研究の発表を行った。

【受賞者】白坂 知彦

【発表概要】
・国際学会名  :WPA REGIONAL CONGRESS OSAKA Japan 2015(予定)
・シンポジウム名:Internet addiction and related problems in Asia
・発表内容   :近年インターネット依存、問題使用は世界中で重大な問題となっており臨床家やメンタルヘルス研究者たちにとって注目すべき分野となっている。
とくにこれらの行動依存はアジア諸国で急速な広がりを見せている。韓国では6~19歳までの2.1%がインターネット依存症と推定され、中国では1000万人、日本でも271万人がインターネット問題使用群と推定されている。
これらの行為依存は他の物質関連依存と同様の症状をしめす、過剰使用、コントロール障害、渇望感、耐性などである。
これらは、低い自己達成感や社会的な孤立、機能不全家族、近親家族の暴力など幅広く悪影響をもたらす。しかしながら、実際の調査研究は少なく、途に就いたばかりである。
これらの問題を解決するため、今回のシンポジウムでは日本、韓国、台湾、タイランドのシンポジストを迎え、多施設共同研究を見据えた各国の問題点、情報の共有、今後の研究の焦点など様々な議論を行う。

平成25年度 受賞者

個人発表部門

【受賞者】沼田 周助

【発表概要】
・国際学会名:Society of Biological Psychiatry 68th Annual Scientific Meeting
・発表演題名:DNA Methylation Signatures of Prefrontal Cortex and Peripheral Leukocytes in Schizophrenia
・発表内容:統合失調症のDNAメチル化修飾異常を死後脳ならびに末梢血を用いて同定し、異なる組織間で共通するメチル化異常を報告した。

【受賞者】岩田 正明

【発表概要】
・国際学会名:Neuro 2013
・発表演題名:Microglia senses psychological stress: target for novel antidepressant agents
・発表内容:Major depressive disorder (MDD) patients express volume loss in cortical and limbic brain regions, due to the reduction of synaptic density and the decremental numbers of neurons. Pre-clinical studies have demonstrated that stress causes morphological alterations such as suppressed neurogenesis. Protection against this neuronal damage is an important strategy for treating MDD, though the mechanisms by which stress causes this neuronal damage is not well known. Serum levels of pro-inflammatory cytokines such as interleukin 1β (IL-1β) are elevated in MDD patients, while chronic inflammatory diseases such as diabetes show high comorbidity with depression. Taken together, this suggests that inflammation is involved in the pathology of depression. We have previously shown that acute stress increases IL-1β in the hippocampus (HIP), and IL-1β suppresses neurogenesis and shows depressive-like behavior in rodents. The synthesis and release of IL-1β are regulated by P2X7 receptor in microglia, the primary source of this cytokine in brain. In support of this, ATP is rapidly up-regulated by stress in HIP. To further evaluate the role of the ATP-P2X7-IL-1β signaling, we examined the effect of A804598, a selective P2X7 receptor antagonist. We found that the inhibition of hippocampal neurogenesis caused by acute stress was completely blocked by A804598. Moreover, depressive-like behavior in the chronic stress model was reversed by chronic administration of A804598. Downstream of the P2X7 receptor is the NLRP3 inflammasome, a large protein complex that controls activation of IL-1β. Thus, we hypothesize that stress increases ATP release, which is sensed by microglia, activating NLRP3 inflammasome and increasing the release of IL-1β, causing depression. Because of the role of NLRP3 inflammasome as a broad range sensor of danger substances, it may be a promising target for treatment of depression.

【受賞者】野田 賀大

【発表概要】
・国際学会名:The 11th World Congress of Biological Psychiatry (WFSBP)
・発表演題名:Potentiation on quantitative electroencephalogram following prefrontal repetitive transcranial magnetic stimulation in major depression
・発表内容:薬物治療抵抗性うつ病患者25名に対し、左背外側前頭前野を標的とした高頻度反復磁気刺激療法(rTMS)を10セッション施行し、そのrTMS治療の前後で、安静脳波の定量化(QEEG)、 HAMD17項目による臨床評価、ウィスコンシンカードソーティングテスト(WCST)による認知機能評価を行った。先行研究から、rTMS治療の生理学的メカニズムとして、刺激部位及び刺激部位と機能的に結合している領域における神経の可塑的変化が強く示唆されているが、特に神経生理学的には長期記憶増強(LTP)変化が、そのメカニズムの1つとして注目されてきている。そのような背景から、rTMS治療がうつ病患者の臨床・認知機能に与える影響と脳波に与える影響をそれぞれ評価し、それらの間にLTP様変化を示唆するような臨床相関が認められるかどうかを調べることを研究目的とした。その結果、rTMS治療により前頭前野領域において、デルタ・シータ・アルファパワーの有意な増加を認め、相関解析では、刺激部位近傍のアルファパワーの増加とWCSTにおける認知機能の改善との間に有意な臨床相関を認め、刺激部位対側では、アルファパワーの増加とHAMD上の臨床症状の改善との間に有意な臨床相関を認めた。今回の研究結果から、rTMS治療による定量脳波上のパワー増高効果と臨床・認知機能改善との間に有意な相関を認め、これらの背景にはLTP様変化を示唆する治療メカニズムが関与しているのではないかと考えられた。

【受賞者】西田 圭一郎

【発表概要】
・国際学会名:11th World Congress of Biological Psychiatry
・発表演題名:Dysfunction of salience network in frontotemporal dementia using EEG microstates
・発表内容:近年functional MRI (以下fMRI)と定量脳波 (以下qEEG)の同時測定による研究が注目を浴びており、これらの研究により、脳領域間の機能的結合を表すと考えられているresting state network (以下RSNs)とEEG microstate mapとの関係が明らかになってきている。 今回我々は前頭側頭型認知症(以下FTD)のmicrostate mapのパラメーター(duration, occurrence)を求めて健常者のそれと比較検討したところ、先行してfMRIのRSNsで得られていた知見 (FTDではsalience networkの障害を認める)と同様の結果を示した。これはsalience networkの存在を示したSeeleyらの研究、及びmicrostateとfMRIの関係をみたBritzらの報告を支持するものであった。またoccurrenceを用いて、microstate syntaxと呼ばれているマップの連続性をみる解析を行ったところ、FTDではswitchingの役割を担うと推察されているmap Cから他のmapへの移行が、健常者のそれと比較すると、健常者でみとめられた移行biasがなくなっていることが分かった。これは時間的に10msecの単位から測定できる脳波の特徴を生かした解析方法であり、今後他の疾患や研究への応用が期待される。

【受賞者】安藤俊太郎

【発表概要】
・国際学会名: XXVII World Congress of International Association of Suicide Prevention
・発表演題名: Psychosocial risk and protective factors of suicidal ideation among clinical patients with depression
・発表内容: 自殺予防をテーマとした国際学会では最も大規模なものであり、2年間に1回開催され、学会期間は6日間に及ぶ。 自殺予防について様々な手法・観点からの研究発表がなされ、その分野は疫学・生物学的・心理学的研究など多岐にわたり、世界の主要な研究者が一堂に会して発表を行う。

シンポジウム組織部門

【受賞者】内田 裕之

【発表概要】
・国際学会名:Asian College of Neuropsychopharmacology
・シンポジウム名:Bridging Brain Imaging Data to Real-World Clinical Practice(脳画像データの実際の臨床への橋渡し)
・発表内容:脳画像は、精神疾患における病態生理学の理解および向精神薬の作用機序に関する理解を深める上で大きな可能性を秘めている。また、近年のモデル化技術の発達により、脳画像データをテーラーメイド医療に適用することが可能となった。このセッションでは、画像研究から得られるエビデンスを統合し、どのように実臨床の世界に実践的に取り込むことができるのか議論する。 まず、中島医師がドパミンD2受容体密度と認知機能についてレビューを行い、統合失調症における認知機能向上のための抗精神病薬の減量の可能性について議論する。 次に、Kim医師は、薬力学的観点から向精神薬による受容体占拠の予測の可能性を論じ、その妥当性に関するPK-PDモデルについて説明する。 三番目に、Chou医師は気分障害におけるセロトニン伝達物質の調節に影響を与えうる因子に関して発表し、抗うつ薬の開発に関して新しい見解を提供する。 最後に、内田医師は、統合失調症における個別化された抗精神病薬治療を達成するため、薬物動態学およびPET研究から得られるエビデンスの統合を行う。 また、このセッションのスピーカーは異なる4ヶ国出身であることから、新しいエビデンスの提供に加えて、この臨床的に重要なテーマを比較文化的な観点からも議論する。

【受賞者】岸本泰士郎

【発表概要】
・国際学会名:Asian College of Neuropsychopharmacology (AsCNP)
・シンポジウム名:Phase Specific Treatment of Schizophrenia: Evidence and Clinical Practice
・発表内容:Medical decision making about clozapine and long-acting antipsychotic injections: results from a global survey

平成24年度 受賞者

個人発表部門

【受賞者】 中村 充宏

【発表概要】
・国際学会名:American Psychiatric Association Annual meeting 2012
・発表演題名:Mortality of neuroleptic malignant syndrome induced by typical and atypical antipsychotics: An analysis from the Japanese Diagnosis Procedure Combination database
・発表内容:定型抗精神病薬と非定型抗精神病薬による悪性症候群の比較検討

シンポジウム組織部門

該当者無し

平成23年度 受賞者

個人発表部門

【受賞者】 五十嵐 健史

【発表概要】
・国際学会名:2011 World Psychiatric association Regional Meeting
・発表演題名:A clinical and polysomnographic study of childhood-onset restless legs syndrome with hyperactivity
・発表内容: 成人における不眠の原因のひとつとして知られるレストレスレッグス症候群(RLS) だが、小児においては診断および治療について十分に実態がわかっていないのが現状である。本邦では2010年にpramipexoleが唯一RLSの保険適応となった。20余例の小児へのpramipexoleの治療経過と第一選択薬としてなり得るかを考察する。

【受賞者】 久我 弘典

【発表概要】
・国際学会名:3rd World Congress of Asian Psychiatry(WCAP) 2011
・発表演題名:Actual problems of disaster psychiatry on the model of the earthquake and tsunami in Japan, 2011
・発表内容: 上記WCAPのAFPA Precongress Education and Training Fellowship Sessionにて、日本の災害精神医療に関して発表をした。 日本で大震災が起こって半年が経つが、実際に初動隊として現場に派遣された立場から、心のケアチームによる支援の現状を報告し、また、現在の日本の災害精神医療の問題点および今後の展望を考察した。

【受賞者】 櫻井 準

【発表概要】
・国際学会名:世界精神医学会 地域大会
・発表演題名:The Current Psychiatric Postgraduate Training in Japan: A view from young psychiatrist
・発表内容: 本邦における精神科の初期研修教育の現状と課題

【受賞者】 山嵜 武

【発表概要】
・国際学会名:世界精神医学会 地域大会
・発表演題名:Case report: Consensus on diagnosis and intervention symposium
・発表内容: 提示されたケースレポートの症例に対する診断・見立てと治療計画について

シンポジウム組織部門

【受賞者】 内田 直樹

【発表概要】
・国際学会名:3rd World Congress of Asian Psychiatry (WCAP)
・シンポジウム名:AFPA Precongress Education and Training Fellowship 3rd WCAP
・発表内容:「How to make an oral presentation」というタイトルで、口頭発表の行い方についてレクチャーを行いました。 また、このセッションにおいては座長も行っています。

平成22年度 受賞者

個人発表部門

【受賞者】 中前 貴

【発表概要】
・国際学会名:16th Annual Meeting of the Organization for Human Brain Mapping
・発表演題名:Diffusion Tensor Imaging and Tract-Based Spatial Statistics in Obsessive-Compulsive Disorder
・発表内容: 強迫性障害患者30名と健常者30名を対象に拡散強調画像を撮像し、Tract-Based Spatial Statisticsという最新の解析法を用いて群間比較を行ったところ、強迫性障害患者において脳梁前部におけるFractional Anisotropyの低下が見られた。 脳梁前部における白質の異常が強迫性障害の病態生理に関連している可能性が示唆された。

シンポジウム組織部門

【受賞者】加藤 隆弘

【発表概要】
・国際学会名:World Psychiatric Association (WPA) International Congress 2010 Beijing
・シンポジウム名:"Sociocultural Changes and Mental Health among Younger Generations in Asia"
・発表内容:アジア諸国はいま急激な近代化の波が押し寄せており、急速に社会文化基盤が変化しており、こうした背景の元に育つ10代20代の若者に、新しい様々な精神保健上の問題が報告されている。 申請者(加藤)は、こうした問題・課題を討議する場の重要性を認識し、その第一歩として、本学会において、西南大学の新福尚隆教授の協力を得て「Sociocultural Changes and Mental Health among Younger Generations in Asia」という国際シンポジウムを企画組織した。
シンポジウムには、日本・台湾・中国から若手精神科医を演者に迎え、各国の現状と課題を報告してもらい、最後にProfessor Norman Sartorius(元WPA会長)に指定討論者として参加して頂き、エクスパートの立場からコメントを頂く。 申請者(加藤)は新福教授とともに司会を務めるとともに、本シンポジウムの中で"International Questionnaire Survey with Case Vignettes of Japan’s Youth Depression and Hikikomori―How the Cases are evaluated by Foreign Psychiatrists?―"という演題名の発表を行う。
本発表は、国内外の精神科医に対して日本で話題になっている若者のうつ病やひきこもりのビネットを提示した質問紙調査の報告である。 日本からの発表者である松本良平氏は、"Toward the Reorganization of Concept “Hikikomori” and Consideration of its Possibilities as a New Clinical Term"という演題で、日本のひきこもり現象を精神医学的観点から捉え、現在の課題と問題点に焦点付けて発表する。

平成21年度 受賞者

個人発表部門

【受賞者】 岡久 祐子

【発表概要】
・国際学会名:第9回世界生物学的精神医学会国際会議
・発表演題名:Association between the Leukemia inhibitory factor Gene and Schizophrenia and Cognitive Functions
・発表内容:インターロイキン6ファミリーに属するLIF(白血病阻害因子)遺伝子が破瓜型統合失調症の発症脆弱性に関連すること,さらに、この多型を有するとウィスコンシンカードテストによる作業記憶の障害にも関与することを発表した。

【受賞者】 白坂 知彦

【発表概要】
・国際学会名:2nd World Congress of Asian Psychiatry
・発表演題名:How do neophyte psychiatrists become interested in alcoholism? : A Survey of early-career psychiatrists in Japan.
・発表内容:-はじめに
 近年の不況などを反映し、アルコール依存症患者は80万人以上と推定され、大きな社会問題となっている。 しかしながら、わが国では依存症治療のための専門施設は不足しており、またアルコール関連問題障害の治療に関心を持つ精神科医は少なく、予防・早期発見・介入に至る過程は依然として途上にあるといわれている。 そこで我々は182名の若手精神科医を対象としてアルコール関連問題障害に対する臨床経験量、専門知識、興味、専門志望性などを9段階のLikert尺度を用いて評価を行った。
-結果・考察
 アルコール関連問題障害は他疾患(統合失調症、うつ病、認知症など)に比較して低い臨床経験量を示す一方。 臨床経験量と専門志望性において強い相関(r=0.776 P<0.001*)を認めた。若手精神科医がアルコール関連問題障害に興味を持つには、より多くの臨床経験が必要である思われる一方、現状では、アルコール関連問題障害患者、家族への早期介入や医療への導入が大きな課題となっている。 一般市民、医療、福祉関係者に対し、適切な啓蒙活動を進める事によって、患者家族に対しより速やかに社会的、医療的介入を進める事ができ、若手精神科医に対してはより多くの症例を経験する事につながり、関心をもつ精神科医を育成する事が出来る可能性が示唆された。

【受賞者】 杉田 篤子

【発表概要】
・国際学会名:23rd European College of Neuropsychopharmacology Congress
・発表演題名:Three polymorphisms of eNOS gene and plasma NO3 levels
・発表内容:3つの血管内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)遺伝子多型(SNP; rs2070744, rs1799983, VNTR in intron 4)とうつ病の病態との関連を検討した。 うつ病と健常人対照者の間での3つの遺伝子多型の分布に相違はなく、うつ病患者におけるeNOS遺伝子多型とハミルトンうつ病評価尺度や足関節上腕血圧比のスコアとの関連はなかった。 しかし、うつ病患者の血漿中NO3濃度と2つのeNOS遺伝子多型(rs207044、VNTR in intron 4)の関連を認めた。

【受賞者】 田中 増郎

【発表概要】
・国際学会名:2009 アジア環太平洋アルコールおよび嗜癖会議
・発表演題名:Questionnaire survey of drinking-driving directed at the treating and/or the mutual-aid-groups-attending alcoholics.
・発表内容:自助グループに参加しているアルコール依存症患者の飲酒時代における飲酒運転傾向を分析し、対策を提案する。

シンポジウム組織部門

 該当者無し

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