公益社団法人 日本精神神経学会

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学会案内|About Japanese Society of Psychiatry

理事長からの年頭の御挨拶

更新日時:2021年2月17日New

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が猛威を振るい、我が国でも、累計感染者数は40万人にのぼり、多くの方々が苦しみそして6300人を超える方々が亡くなられました。物故者のご冥福をお祈りしますとともに、ご遺族の方にはこころより哀悼の意を表します。


 精神科病棟でのクラスターも数多く発生しており、従事するスタッフは苦労されていることでしょう。重症感染者の治療を担当している大学病院や総合病院では、フロントラインの医療従事者や罹患者のメンタルヘルスを支援していることと思います。また精神科病棟がコロナ対応に転用され、精神科医療が逼迫していることが伝わってきます。
 コロナ禍において、医療活動に直接関わることができず歯がゆい思いをしている方もおられると思います。しかし私たちには重要な役割があります。重度精神疾患(重度知的障害含む)をもつ方は コロナの罹患率・死亡率が高いことが大規模調査で報告されています。彼らが精神疾患を抱えていることでコロナの治療において差別されないように、私たちが守る必要があります。さらに、パンデミックで縮小せざるを得なかった精神科医療を回復させ、精神疾患を抱える人々へのサービスや医療制度をさらにより良いものへ としていくために、今後さらに重要な役割を果たさなければなりません。

 昨年の夏の終わりの頃から全国の自殺者は高止まりしており、長引く自粛疲れと、経済的な困窮、いまだに先行きの見えない不安が、一般の方々のメンタルヘルスにも色濃く影響しています。本学会は、英文機関誌PCNにCOVID-19に関するオンラインの特別号を作り、これをオープンアクセス化し、全世界から投稿されてきた有益な情報を掲載しました。精神神経学雑誌では精神科病院でのコロナ対策に役立てて頂ける資料を掲載しました。また関連4学会とともに作成した「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行下におけるメンタルヘルス対策指針」をはじめとして、多くの見解や声明を発出し、これらを国内外の情報とともに、学会ホームページのトップ画面に掲載しました。是非ご参照ください。

 第116回学術総会は、開催日程を延期したにもかかわらず、コロナ禍が収束せず、ウェブでの総会に切り替えなければなりませんでした。これは未経験の試みであり、総会関係者は、細部にわたり周到な準備が必要でした。このため会長を務めて頂いた矢部博興先生をはじめ関係者の方々には、大変なご苦労をおかけしました。おかげさまで、大きなトラブル無く総会を終了することができました。この場を借りて改めて御礼申し上げます。
 この総会で取り入れたオンデマンドで講演を視聴できる方式は、自分の都合の良い時に関心ある講演を視聴できるためでしょうか、予想外に好評でした。参加総数は8,791名、視聴回数が最も多かった講演は4,440回 にのぼりました。この経験は今後の総会でも生かされるでしょう。


 2020年は緊急事態宣言が発出されて以降、理事会も含めて、原則ウェブ会議に切り替わりました。各種委員会はそれぞれに重要な問題を抱えながらも、委員長と委員のご協力のもとで、比較的速やかに審議を進めてくださっており、学会全体の活動はなんとか維持できていると思っています。そのなかでも、立ち止まることができない、専門医試験、更新、専攻医やプログラムの募集などに関係する委員会は、専攻医や専門医の方々に不利益が生じないように最善の努力を尽くしています。
 2020年度の精神科専門医認定試験はCOVID-19のため延期を余儀なくされていましたが、今年3月7日には全国15会場に分散して筆記試験を行い、4月3~4日には全国14会場(暫定)でウェブ面接試験を行うことになりました。
 また2021年度からは、原則、専門医の更新は、日本専門医機構認定専門医として更新することになります。専門医更新手続き・要件等にあたって事前に周到な準備を行ってください。

 今年は、代議員の改選が行われ、新理事会が発足する年です。男女共同参画推進委員会を中心として、長年検討を加えてきた結果、初めての試みとしてポジティブ・アクション(affirmative action)としての女性代議員枠を設けることにしました。代議員からさらに理事に立候補する女性会員が増えることを期待しています。
 最後になりましたが、本学会のさらなる発展のために、引き続き、会員各位のご理解とご協力をよろしくお願いします。

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