公益社団法人 日本精神神経学会

English

学会案内|About Japanese Society of Psychiatry

理事長からの年頭の御挨拶

更新日時:2022年1月5日

 2020年から猛威を振るった新型コロナウイルス(covid-19)感染拡大は、2021年秋頃からようやく落ち着きを見せていますが、世界では新たな変異株も出現して、引き続き第6波到来の脅威も続いています。この間、私たちの生活スタイルは大幅な変更を余儀なくされ、メンタルヘルスの領域にも大きな影響が及びました。医療機関や施設におけるクラスターや精神科病棟の転用・一時休止など、会員の皆様もその対応に大変なご苦労をされたことと推察いたします。若年層や女性の自殺も増加傾向にあり、私たちが果たす役割はますます大きくなっていくと思われます。

 第117回学術総会は、コロナ禍の影響で開催日程をいったん延期した上でのハイブリッド開催となりました。完全オンライン開催であった第116回学術総会に続いて、今回も新たな形式での運営となり、木下利彦会長をはじめ関係者の方々には大変なご苦労をおかけいたしましたが、おかげさまで成功裡に終了することができました。この場を借りて改めて御礼申し上げます。総会参加者は、これまでの最高記録となった前回総会とほぼ同数の8712名に及び、ポスト・コロナもハイブリッド開催が主流になっていくことが予感されます。

 Gender equalityの達成が世界規模で社会的な目標となっている昨今、本学会でも女性役員の増加を最重要課題として位置付けてきましたが、2021年2月に実施された代議員選挙で、女性枠の設置により49名(全体の26%)の女性代議員が選出され、6月の定時代議員総会でも4名の女性理事(全体の17%)が選出されました。その新理事会の下で、同年9月から、6部門63委員会が新たな活動を開始し、多くの女性委員が参加されています。

 その中で、今期に新設または改編された委員会がありますので、一部紹介させていただきます。精神科専門医制度部門では、専攻医教育や生涯教育のさらなる充実に向けて、専門医試験の出題元となりうる専攻医向けの精神科テキストを編纂する「精神科専門医テキスト作成委員会」を新設しました。専門医試験委員会とも連動しながら、精神科専門研修中に習得すべき知識・技能・態度のミニマムエッセンスに加えて、専門医取得後の生涯教育やサブスペシャリティ選択にも対応できるように、現時点での標準的な精神医学・精神医療・精神保健の最新情報もできるだけ盛り込む内容になるように準備を進めていく予定です。

 精神保健・医療・福祉部門では、わが国の精神科医療の質を向上させる取り組みを前進させる課題の解決に向けて、従来から広範な領域をカバーし、精力的に活動してきた「精神医療・保健福祉システム委員会」を、「急性期医療」、「慢性療養者の医療・支援」、「地域ケアにおける自立支援」に関する3つの委員会に再編して、各委員会の委員長と副委員長で構成される常任委員会を設置しました。各委員会の目的を明確化して、それぞれのあり方をより具体的に検討し、あるべき姿を積極的に発信していくことを目的としております。

 本学会の機関誌も前期から引き続き、さらなる発展を続けています。Psychiatry and Clinical Neurosciences (PCN)は、2020年のImpact Factorがついに5.188となり、世界の有名誌の仲間入りを果たしました。現在、PCNの姉妹誌として、PCN Reportsの創刊準備を進めており、会員の皆様にとってより投稿しやすい英文雑誌を目指しております。一方、精神神経学雑誌も、2021年発刊の第123巻第1号から装丁をリニューアルしましたが、PubMed再掲載を目指して様々な取り組みを進めており、その一つとして英文翻訳の掲載準備を行っています。速報性を重視して、accepted articleのコーナーも新設しましたので、欧米型のエビデンスだけではなく、わが国における実臨床の経験知を共有する場として活用いただくことを期待しています。本学会の基本理念である「会員相互の研鑽・点検の機能を果たすこと」に資するように、これら3機関誌が益々充実していくように努力していく所存です。

 最後になりますが、本学会のさらなる発展のために、引き続き、会員各位のご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。

公益社団法人日本精神神経学会
理事長 久住 一郎

このページの先頭へ