公益社団法人 日本精神神経学会

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学会活動|Activities

若手国際シンポジウム発表賞(受賞者一覧)

更新日時:2021年2月17日

第117回学術総会 受賞者

Gambling disorder

【受賞者】宋 龍平

【発表概要】
・発表演題名: Gambling Disorder in Japan: current situation, recent studies, and future perspectives
・発表内容:
日本では、2016年に特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律(通称:IR法案)、2018年にギャンブル等依存症対策基本法が成立したこともあり、ギャンブル関連の問題が注目を集めている。本発表では、まず都市部や郊外にパチンコ店が多いことなど日本特有のギャンブル事情、学校を中心とした地域の予防教育、自助グループや非営利団体の活動、ギャンブル障害の専門治療提供体制などについて概観する。続いて、日本発のギャンブル関連研究を四つ紹介する。一つ目は一般人口対象の全国調査、二つ目はホームレスの方々を対象とした記述研究、三つ目は問題ギャンブラーを対象としたチャットボットの無作為化比較試験(RCT)、四つ目はギャンブル障害患者を対象とした集団認知行動療法に関する多施設共同RCTである。以上を踏まえて、ギャンブル問題の支援、研究、教育の今後について議論したい。


【受賞者】矢野 幹一良

【発表概要】
・発表演題名:The Social and Healthcare Situation on Gambling Disorder in Japan
・発表内容:
日本ではパチンコ・パチスロが日本の巨大産業になっており、市場規模は20兆円を超えている。2017年に実施された全国調査では、ギャンブル障害の過去12か月間の有病率は比較的高く、パチンコ・パチスロがギャンブル障害全体の約8割を占めている。
ギャンブル障害は深刻な経済的、社会的問題、自殺の問題まで引き起こすが、日本においても、ギャンブル障害では、物質依存と同様、いわゆるトリートメントギャップが大きく、患者への支援は家族の関係機関への相談から始まることが多い。
しかし、日本ではギャンブル障害に対する医療資源が不足しており、精神保健福祉センターや保健所等が患者や家族に相談支援を行なっている。治療は限られた専門医療機関や精神保健福祉センターで行われており、ギャンブル障害の自助グループも未だ増加途上にある。
よって、日常臨床でのギャンブル障害の早期発見が必要な状況にある。

 

Case Vignette (Reactive attachment disorder)

【受賞者】岡﨑 康輔

【発表概要】
・発表演題名:Approaches to Reactive Attachment Disorder in Japan
・発表内容:
近年、本邦において児童虐待は社会問題となっており、その背景に少子高齢化社会などの影響が示唆されている。児童虐待に関連した児童思春期にみられる精神疾患の一つに反応性愛着障害が挙げられるが、知的能力障害や自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症などの神経発達症との鑑別を要する。診断の鑑別において、詳細な生育歴や発達歴の聴取及び心理発達検査、逆境的小児期体験の評価は有用である。
反応性愛着障害の治療において、本邦の児童福祉分野で重要な役割を担う児童相談所などの福祉関係機関、教育機関及び医療機関など、多機関が連携した児童及び養育者への心理社会的な介入は重要である。一方で、情緒及び行動の問題に対して薬物療法が効果的なケースもみられる。
なお、本演題のなかで提示する演者らの研究については、奈良県立医科大学医の倫理審査委員会の承認を得て行った。また、本演題に関連し、開示すべき利益相反は存在しない。


【受賞者】佐々木 祥乃

【発表概要】
・発表演題名:The current status of child abuse and other relevant issues in Japan
・発表内容:
提示された症例検討に加え、日本における児童虐待や関連事項の現状を伝える。
1.  DSM-5では反応性愛着障害と診断される。診断過程で心理検査としてWISC-IVを行う。併存疾患として反抗挑戦性障害がある。注意欠陥多動性障害と重篤気分調節症、間欠性爆発性障害は鑑別診断に挙がる。
2. 児童相談所が対応した児童虐待件数は1990年から28年連続で増加している。日本は、子どもを保護する制度や法令が十分でなく、その背景には日本独特の文化である「ウチとソト」「恥の文化」がある。
3. 精神療法、薬物療法、環境調整など種々の治療技法が主診断、併存疾患に用いられる。しかし、大事なことは病院や支援施設がお互いに連携する中で途切れることのない支援が提供されることである。
4. 虐待児を保護する社会資源として児童相談所の一時保護が挙げられる。一時保護の目的は子どもの生命の安全を確保することである。

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