公益社団法人 日本精神神経学会

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学会活動|Activities

過去のAFPA派遣者一覧

更新日時:2019年3月25日

過去にAFPAにJSPNの代表として派遣された先生方の、報告書や感想を以下に掲載します。
ご応募の際、ぜひご参考になさってください。
(※ ご所属はAFPA派遣当時の所属施設名を掲載しております。)

2019年派遣者

■氏名:大石 賢吾

■所属:千葉大学大学院医学研究院精神医学

■発表日:2019年2月20日

■発表演題名:
Vulnerable combinations of functional polymorphisms to late-onset treatment resistant schizophrenia.

■感想:
 2019年2月19日(火)~2月24日(日)、オーストラリアのシドニーで行われたアジア精神医学会 (The Asian Federation of Psychiatric Associations) の年次総会に参加させていただきました。非常に短期間での日程調整であったように感じますが、日本精神神経学会事務局とAFPAのご尽力のお陰で非常に充実したプログラムとなりました。

 特に、本大会前に3日間の期間で行われたワークショップでは、アジア各国から選出された若手精神科医師12名が集い、お互いの国における精神医療状況や今後の課題などについて活発に情報共有・意見交換を行いました。また、全課程を通じ世界精神医学会の前会長であられたNorman Sartorius先生が直接ご指導くださっただけでなく、中日に催された食事会では、世界精神医学会現会長のHelen Herrman先生や次期AFPA会長のMalcolm Hopwood先生にもご参加頂き夜がふけるまで貴重なお話しをお聞きさせて頂く機会を得ました。続く年次総会でも、世界各国から学術的・指導的な演題が並び大変勉強なりました。個人的には、昨年のRANZCPで一緒にダンスを踊り、神戸総会でも再会させて頂いたKim Jenkins先生に改めてお会いできたことも良い思い出です。

 現在、ワークショップに参加したメンバーでは、共同研究として最大9カ国に渡る調査を行う計画が進んでいます。これからの精神医療を担っていく若手精神科医師として、我々日本国内の状況はもちろん、国際的な視点も培っていけるよう今回出会った仲間とのご縁を大切にしながら研鑽を積んでまいりたいと思います。

 今回のAFPA年次総会を通じて素晴らしい経験ができたのは、ひとえに派遣にご尽力頂いた神庭重信先生や秋山剛先生、国際委員会の御先生方、JSPN事務局の皆様のお陰でありました。また、ハイレベルなワークショップを乗り越えることは、同じく派遣で参加された慶應大学の黒川駿哉先生のお力なくして成し得なかったことと思います。この場をお借りしまして皆様に感謝申し上げます。ありがとうございました。最後になり恐縮ではございますが、ご指導頂きました伊豫雅臣教授をはじめ、本学会参加の為にご協力頂いた千葉大学大学院医学研究院精神医学教室の先生方にも心から感謝申し上げさせて頂きます。(集合写真)


■氏名:黒川 駿哉

■所属:慶應義塾大学医学部 精神・神経科学教室

■発表日:2019年2月21日-23日

■発表演題名:The Future of Psychiatry Across Asia: Can we accept the increase in diversity?

■感想:
 「同僚を大切にしなさい、健康に気を遣いなさい、自分と向き合う時間を作りなさい、そして家族に感謝しなさい。」 私がこの学会で最も胸に残ったNorman Sartorius先生のお言葉です。
このたび、日本精神神経学会の代表派遣として2019年2月21-23日, Sydney第7回アジア精神医学会年次総会、そして学会に先んじて、Young Psychiatrists Scholarship Programとして、3日間のleadership研修に参加させていただきました。

 研修では、日本から大石賢吾先生とともに、アジア各国の若手精神科医12名がSartorius先生のご指導のもと、プレゼンの仕方、質問の答え方、CVの書き方、研究の選び方、ポスターの見せ方、など、極めて実践的テーマに沿って相互的なディスカッションと愛ある厳しいフィードバックをいただきました。若手とはいえ、これまでの経験から「わかったつもり」であったことが、いかに「ダメで改善の余地があるか」を痛感し、将来に光が見える大変貴重な機会となりました。
後半の学会では、”The Future of Psychiatry Across Asia”というシンポジウムで発表させていただきました。私が選んだTitleは、”Can we accept the increase in diversity? ” です。日本社会がオリンピックや少子高齢化などにより急速に外国人労働者が増え、多様性が増していることと、国民の心理的受け入れが悪い実態のデータを示しました。そして私の研究テーマである腸内細菌と腸-脳相関について、腸内細菌叢の多様性の回復が、抑うつ症状や自閉症の症状の改善と関連していることを発表しました。研修で厳しかったSartorius先生に “You have given us a great metaphor.”と御講評いただけたことも嬉しかったですが、ここで得られた若手同士の交流から、さっそくinternationalな共同研究をしようという具体的な話も進みました。

 今回いただいたご縁と経験を大切な宝とし、同僚や後輩に伝え、自分自身これから日々少しでも丁寧に仕事に励んでいきたいと思います。大変貴重な機会をいただき誠にありがとうございました。

2018年派遣者

■氏名:内野 敬

■所属:東邦大学医学部精神神経医学講座

■発表日:2018年1月26日

■発表演題名:
The role of personality traits among the patients with schizophrenia who have gaps between capacity and performance of social functioning

■感想:
 アジア精神医学会 (Asian Federation of Psychiatric Associations) の年次総会に参加し、若手精神科医のシンポジウムに参加およびポスター発表をさせていただきました。不運にも出発日の東京は記録的な大雪でしたが、フィリピン・マニラに到着した瞬間には汗ばむような気候で、最高気温は30度を示し、さすが熱帯の国といった第一印象でした。大通りを離れてマニラ市街を奥へ一歩進むと、貧困や衛生環境の悪さが目立つと同時に、アジア特有とも思われる人々の熱気や独特なコミュニティが形成されている様子を垣間見ることができました。

 マニラの熱気を受けてか学会は大変活気があり、各セッションはもちろんのこと昼食、夕食の間も、誰でも隣に座ればすぐに各国の情勢について熱心に議論を交わすことができ、大変刺激的な時間を過ごすことができました。若手のシンポジウムに関して、事前の内容がややアバウトな点もあり幾許かの不安を抱えて望みましたが、それぞれの自己紹介に始まり、医学教育に関するプレゼンテーションと中身の詰まったシンポジウムとなりました。また、Afzal Javed先生をはじめとする若手教育に大変熱心な先生方と、各国の若手が集まり、予定時間を一時間もオーバーするほどの盛況となりました。

 今回、日本精神神経学会からの代表派遣は4名であり、私が最も若手でしたが、交流の機会をいただき、研究活動や教育体制など他施設の若手の実情を聞くことができました。大変有意義であったと同時に、国際交流を含む研究活動へのモチベーションの上がる機会となりました。
この度は貴重な機会を与えていただいた、日本精神神経学会国際委員会およびアジア精神医学会の先生方に心より感謝いたします。


■氏名:檀上 淳一

■所属:香川大学医学部精神神経医学講座

■発表日:2018年1月26日

■発表演題名:

NON-INVASIVE EVALUATION OF BLOOD-BRAIN BARRIER DAMAGE USING GADOLINIUM-ENHANCED MAGNETIC RESONANCE IMAGING IN GENERALIZED SEIZURE MODEL MICE

■感想:
 とにかくあつい!あつすぎる!!これがAFPA2018マニラの正直な感想です。渡航前からマニラは摂氏30度と”暑い”ことは分かっていました。しかし数年ぶりの大雪に見舞われた日本から実際にマニラに降り立ってみると心底”暑かった”。時折のスコールとあいまって湿気も強く、1月にも関わらずマニラは日本の夏のようでした。”あつい!もう外にはおられん。”と叫びたくなる気候で、学会場で熱心に学ぶに適した環境でした。

 そしてアジア各国から参加した若手精神科医が集うシンポジウムでも”あつい”洗礼が待っていました。若手精神科医師の成長と研究交流に熱い思いをたぎらせたProfessor Rene Samaniegoが急に「互いをもっと知るために自己紹介しよう。履歴書みたいなやつじゃないぞ。なぜ精神科医になったのかそれぞれの熱いエピソードを聞かせてくれ。まず我々が見本をみせる。」とRene教授をはじめ同室にいたAFPA幹部陣全員が医学生や研修医の頃からの熱い自己紹介を始めました。こんな経験は初めてだったので本当に驚きました。しかし、おかげでその部屋にいた10数名のAFPA幹部や若手精神科医は打ち解けることができて、その後の活発な議論につながりました。

 日本から派遣された4名の若手精神科医で夕食を共にして、互いの研究内容や臨床内容、将来の目標等についてもDiscussionできたことは本当にかけがえのない時間でした。

 AFPAへの参加を通じて以前にまして研究や臨床に励むとともに、更に国際交流して海外の先生とも共同研究できるようになりたいと自分の目標が広がりました。参加させて頂いた関係者の皆様に御礼申し上げます。


■氏名:中神 由香子

■所属:京都大学大学院医学研究科脳病態生理学講座(精神医学)、日本若手精神科医の会(Japan Young Psychiatrists Organization, JYPO)

■発表日:2018年1月25日(口頭発表)、26日(ポスター発表)

■発表演題名:
Postgraduate education in psychiatry for Suicide Prevention (口頭発表)
Impact of Japanese revised road traffic law on mental stigma (ポスター発表)
Effects of mental and physical states on pain in rheumatoid arthritis (ポスター発表)

■感想:
 平成30年1月24日-26日に、フィリピンのマニラで開催されました、アジア精神医学会 (Asian Federation of Psychiatric Association, AFPA) の年次総会へ日本精神神経学会 (Japan Society of Psychiatry and Neurology, JSPN) の代表として参加する機会を頂きました。学会のメインテーマは“Advances, Impacts, & Future Directions of Psychiatry: The Asian Experience”であり、第44回フィリピン精神医学会 (Philippine psychiatric association, PPA) と共催され、大変な盛会でありました。

 若手のための特別シンポジウムが、精神科研修・教育をテーマに開催され、自殺予防教育について口頭発表をさせて頂きました。各国の若手精神科医、そしてAFPAや世界精神医学会の先生方と濃厚な議論を行いました。交流を深めながら各国の精神科事情を学ぶことができ、大変有益な時間となりました。

 また、ポスター発表の時間も設けて頂きました。私は、道路交通法の改正がスティグマに与える影響と、関節リウマチ患者において心身の状態が与える疼痛への影響、という異なる二つのテーマで発表いたしました。日本の道路交通法の改正には多くの先生方が興味を持って下さり、各国の先生方とその国の道路交通法の事情を議論することが出来ました。そして大変嬉しいことに、最終日にポスター賞という名誉ある賞を頂くことが出来ました。この受賞と学会での素晴らしい経験を励みに、さらに頑張っていきたいと思います。

 今回の学会出席にあたり、我々を派遣してくださった日本精神神経学会、若手向けの特別セッションを用意してくださったAFPAの先生方、この度は貴重な機会を与えていただき、誠に有り難うございました。


■氏名:堀之内 徹

■所属:北海道大学大学院医学院神経病態学講座精神医学教室

■発表日:2018年1月25日、26日

■発表演題名:
Training to become a good psychiatrist –Trainee perceptions–、Optimal Postgraduate Training about Management of Physical Illness to Become a Good Psychiatrist

■感想:
 今回、日本精神神経学会(Japan Society of Psychiatry and Neurology: JSPN)の派遣事業により、2018年1月23-26日の日程でフィリピンはマニラで開催されたアジア精神医学会(Asian Federation of Psychiatric Associations: AFPA)年次総会に幸いにも参加させていただける機会を得ました。私はアブダビで開催されたAFPA年次総会にも参加させていただきましたが、AFPAは若手精神科医への教育と若手精神科医同士の交流に力を入れている組織であり、若手精神科医向けの特別セッションが企画されたほか、今回から若手精神科医専用のポスターセッションが新設されました。特別セッションでは、アジア各国の若手精神科医だけでなく、エキスパートの先生方も参加され、若手に対して支援していく姿勢が強いことを感じました。私はそのセッションで「将来精神科医になることを決めている医師は、初期研修医中にどの科をどれくらい研修しどんなスキルを学ぶべきか」ということについてシンポジストとして発表させていただきました。内科や救急科は必須で、精神科・神経内科・放射線科などでの研修も勧められ、また疫学や統計を学ぶために公衆衛生で研修できる機会があればなお良いという発表でしたが、多くの先生方にコメントいただけ、私自身の視野が広がりました。

 そして今回の年次総会では懇親会が尋常ではない盛り上がりを見せたことに驚愕しました。おそらく200名超の有志の精神科医が、平和や友愛といったテーマで、歌・ダンス・映像で魅せるハイレベルのパフォーマンスは圧巻で、懇親会は4時間にも及びました。また一緒に日本から派遣された先生がお神輿のように担がれていった様子には、今思い返しても笑みが溢れます。それ以外にもプログラムの合間にビーチでモヒート片手に寛いだり、他の日本人参加者と一緒に会食したりと、学術面だけでなく大変充実した学会参加となりました。このような機会をくださいましたJSPN理事および国際委員会の先生方にはこの場を借りてお礼申し上げます。

2017年派遣者

■氏名:秋山 剛
 所属:NTT東日本関東病院

 氏名:堀之内 徹
 所属:北海道大学大学院医学院神経病態学講座精神医学教室
 認定NPO法人 日本若手精神科医の会(Japan Young Psychiatrists
 Organization:JYPO)理事

■会議名:The 6th World Congress of Asian Psychiatry in Abu Dhabi

■開催期間:2017年3月24日~26日

■報告:PDF(285KB)

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