東日本大震災復興支援に対する日本精神神経学会声明
更新日時:2015年2月4日
2011年5月21日
東日本大震災の対するこころのケア支援と復興支援対策ワークショップに於いて下記の通り声明します。
こころの健康は国の財産であり、宝であります。
今回の大震災で失われた精神医療保健福祉の再構築による安心・安全な地域への再生を復興プログラムに盛り込むべきであると考えます。
- 被災地域の精神障害者並びに被災精神科医療・福祉施設への支援策を実施して、
地域ニーズに応じた地域精神医療を提供すると共に、地域で活動する人材を確保し、
地域保健福祉を提供しうる態勢を構築するべきであると考えます。
具体的には
①被災者には、入院費及び通院費の長期にわたる減免措置を講じること。
②被災地通院患者の通院手段の確保をするとともに、通所施設やグループホ―ムなどの居住施設の措置を速やかに行うこと。
③この度の災害で被害を受けた精神科医療機関への人的、経済的復興支援策を講じること。
④精神科医療崩壊地域には、一定期間医療供給態勢を作り、復興に合わせてその態勢をスライドさせ、その中に「震災ストレスクリニック(仮称)」を組み入れること。
⑤地域の実情やニーズに合わせ、保健師、精神保健福祉士などの人材を確保すると共に、多職種チームにより地域訪問型の支援を行う事。
- 大学に「災害精神支援学講座」を新設し、人材を集めて、地域精神科医療の確保とこころのケアの長期的支援を実現し、
その支援方法の妥当性の検証を行い、わが国の災害精神医学・医療を確保し、
将来の大規模災害にも対応できる人材育成を推進するべきであると考えます。
- 日本精神神経学会は常設の災害対策委員会を設置し、
大規模災害発生時にこころの支援に関わる多くの連携組織と協働して、
災害時の初動活動並びに継続的な活動を可能にするための支援活動を行うとともに、
平時にも模擬訓練や災害精神支援学に関する研修を実施することといたします。