妊娠中・出産後に「不安が強く」なった方のためのQ&A

Q6 妊娠中・出産後に「不安が強く」なった方のためのQ&A

  • 6-1 妊娠中に不安で困った時、どうすればいいですか?

    6-1 周囲の方、産科医・看護師・保健師、病院のソーシャルワーカー、役所・保健所の相談窓口、あるいは直接、精神科や心療内科などに相談するとよいでしょう。

    アドバイス

    • 「もっとしっかりしなさい」「弱音を吐いたらダメ」など、無理なことを要求するような反応が返ってくる人の言葉は受け流すとよいでしょう。
    • 支えてくれるような(あなたにとって力になってくれるような)人のアドバイスを聞くようにするとよいでしょう。
    • 生活に支障があると感じた時には、精神科に相談するのもよいでしょう。(Q6-2もご覧下さい)

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    説明

    • 妊娠中に不安が起こることはまれではありません。決して「意志が弱い」とか「人として弱い」のではありません。
    • 産科医から妊娠・出産・授乳についてのよりくわしい説明を聞いたり、ソーシャルワーカーや役所の窓口で医療や生活の支援制度を教えてもらったりすることで、不安が減ることも多いと思われます。

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  • 6-2 妊娠中に不安が強いのですが、精神科を受診した方がよいですか?

    6-2 普段の生活に支障が出るようなら受診した方がよいでしょう。

    アドバイス

    • 産科医や相談窓口から精神科へ紹介してもらうとよいでしょう。

    説明

    • 感じている不安が普段経験するものよりも強かったり、繰り返し起こるようになったりして、生活に差しつかえるようになった時は、精神科を受診するタイミングと思われます。
    • 精神科のある病院や診療所を探すことが難しかったり、見つけ出した精神科の予約がなかなか取れなかったりすることもあります。そのような場合は、かかりつけの医師、産科医、ソーシャルワーカー、役所・保健所の窓口などで、精神科の受診について相談するとよいでしょう。(Q4-1もご覧下さい)

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  • 6-3 妊産中は不安症・強迫症になりやすいのですか?

    6-3 誰でも妊娠中は不安になりやすく、不安症・強迫症になる可能性が高くなります。

    アドバイス

    • 不安症、強迫症について理解されるとよいでしょう。(Q15-1Q15-2もご覧下さい)
    • 症状が出ても深刻になりすぎないことが大切です。(Q15-3もご覧下さい)
    • 療養によって症状の改善を図ることができます。(Q15-4もご覧下さい)

    説明

    • 妊娠、出産、子育てには独特の不安が伴いますので、妊産婦さんは不安症・強迫症になる可能性が高いと考えられています。妊産婦に起こりやすい恐怖症の例として、以下のようなものがあります。
      • 分娩恐怖:陣痛などへの強い恐怖を感じます。その場合、和痛分娩(局所麻酔により分娩の痛みを和らげる方法)などを考えるとよいでしょう。
      • 子どもへの汚染恐怖:感染、薬品、放射線などが赤ちゃんに影響を与える心配を過剰にしてしまいます。担当医師や保健所など行政相談の窓口に相談して、客観的な情報を得るのがよいでしょう。
      • 子どもへの加害恐怖:「偶然に、または故意に、子どもを傷つけてしまうのではないか」という考えが繰り返し思い浮かんで止められなくなります。やはり担当医師や保健所など行政相談の窓口に相談して、一人で抱え込まないようにするとともに、必要なら強すぎる不安に対する治療も考えるのがよいでしょう(Q6-4もご覧下さい)。

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  • 6-4 妊娠中・授乳中ですが不安の薬を飲み始めてもいいでしょうか?

    6-4 はい、必要なら薬を使って構いません。

    アドバイス

    • 薬以外による治療と、薬の治療の両方を行うとよいでしょう。(Q15-4もご覧下さい)
    • 薬を飲む場合は、精神科医のアドバイスを受けるとよいでしょう。(Q3-1Q15-5もご覧下さい)

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    説明

    • 不安が強く、生活に支障が出るような場合には、薬を使う治療も選択肢になります。
    • 不安が強いと、妊娠中のトラブルや、生まれた赤ちゃんの体調や発達に影響が出る可能性があります。無理に不安に耐えようとするより、薬を使う方がメリットは大きいと考えられています。
    • 精神科医は妊娠・出産・授乳に大きな問題を起こさない薬を選んで使います。(Q15-5もご覧下さい)
    • 薬以外による治療もあります。(Q15-4もご覧下さい)