妊娠中・出産後に「眠れなく」なった方のためのQ&A
Q5 妊娠中・出産後に「眠れなく」なった方のためのQ&A
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5-1 妊産婦では不眠が起こりやすいのですか?
5-1 妊娠すると、誰でもぐっすりと眠りにくくなります。
アドバイス
- 対応策がありますので、産科医、精神科医、心療内科医などに相談するとよいでしょう。(Q5-2もご覧下さい)
説明
- 約8割の妊産婦が妊娠中に不眠障害(不眠症)にかかるといわれています。
- 程度の差はありますが、夜間の不眠症状と、それによる日中の眠気・疲労感・イライラ・集中力が下がるなどの症状が出ることがあります。
- 時期によって、次のような変化が出るので眠りにくくなります。(Q1-2もご覧下さい)
- 妊娠初期(0~12週)にはホルモンバランスが変化し夜に以下の症状が出やすくなります。トイレに行きたくなる、吐き気、腰痛、乳房の痛み・ヒリヒリ感などです。
- 妊娠中期(13~24週)の後半にはいびき、胸やけ、不規則な子宮収縮などから、睡眠の質が悪くなりやすいです。
- 妊娠後期(25週~出産)にはほとんどの妊産婦さんで、何度もトイレに行きたくなる、子宮収縮、脚のこむらがえり、背中の痛み、関節の痛みなどで眠りにくくなります。また睡眠中の息苦しさ(睡眠時無呼吸症候群などの病気になることもあります)や、レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)(足に限らず体の一部が落ち着かなくなる)が起こりやすくなります。出産や育児への不安や悩みが加わることもあります。
- 陣痛が始まると睡眠をとるのが難しくなります。
- 産後は夜泣きや夜間の授乳で睡眠が中断されやすくなります。
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5-2 妊産婦が眠れない時、どうすればいいですか?
5-2 なるべく早いうちに医師に相談するとよいでしょう。
アドバイス
- 以下のようなことを心がけるとよいでしょう。(Q21-6もご覧下さい)
- 起床時刻を毎日一定にする。
- カフェイン飲料を避ける。
- 日中に運動する(無理は禁物です)。
- ふとんの中でスマートフォンを見たりしない。
- 眠くなってからふとんに入る。
- 睡眠薬の使用に関して、産科医、精神科医、心療内科医などに相談するとよいでしょう。
説明
- 睡眠の質が悪くなると、妊産婦さん自身と赤ちゃんの健康状態に影響を与えることがあります。
- 特殊な睡眠障害が考えられる場合には、睡眠専門医や精神科医に紹介されることもあります(睡眠時無呼吸症候群やレストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)など)。
- 睡眠薬は医師と相談して使用する限り、赤ちゃんへの影響はほとんどありません。(Q21-3もご覧下さい)
- 比較的安全な睡眠薬として、スボレキサント(ベルソムラ)、レンボレキサント(デエビゴ)、ラメルテオン(ロゼレム)などがあります。(Q3-6もご覧下さい)
- 以下のようなことを心がけるとよいでしょう。(Q21-6もご覧下さい)