公益社団法人 日本精神神経学会

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医学生・研修医の方へ|for Residents and Medical Students

4. 患者数が増えている

更新日時:2015年1月28日

患者調査(厚生労働省)によると,1999年の精神疾患の推計患者数(医療機関にかかっている患者数)は,1999年には外来170.0万人,入院34.1万人でしたが,2008年には外来290.0万人,入院33.3万人と,外来・入院の合計で1.6倍に増加しており,国民の40人に1人は精神疾患の治療のために医療機関を利用していると推定されます。

患者調査は医療機関を利用した人を対象にした調査であって,精神疾患があっても医療機関を利用しなかった人は調査の対象にはなりません。精神疾患の有病率を知るためには疫学調査が必要です。国際的な疫学調査である世界精神保健調査によると,日本における成人の気分障害,不安障害,衝動制御障害,物質関連障害のいずれかの生涯有病率は24.2%,12か月有病率は10.0%でした。世界精神保健調査に含まれていない統合失調症,認知症などを含めると,日本における精神疾患の有病率はさらに高くなると思われます。

DALY(Disability-adjusted life-years,障害調整生命年)は,死亡と障害による喪失年数の和であって,この値が大きいほど,その病気による社会への影響が大きいことを意味します。日本(2004)でこの値の最も大きいのは精神神経疾患です。精神疾患について社会の理解が進み,精神疾患を経験しながら,なかなか受診に結びつかなかった人たちも早期に適切な治療を受けて,いきいきとした人生を送るようになれば,DALYの数値も小さくなっていくでしょう。

(精神保健研究所 竹島正)

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