学会活動Activity

性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン

お知らせ

「性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン(第4版)」一部改訂のお知らせ(2014.5.17)

 

性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン 第4版

はじめに

わが国における性同一性障害に関する医療は,法的な問題などのため諸外国に比較すると特有の歴史を辿ってきたが,平成10年10月16日,埼玉医科大学において,わが国で初めて公に性同一性障害の治療として性別適合手術が施行されて以降,次第に臨床活動が普及するようになった. 平成15年7月に,「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」(特例法)が成立し平成16年7月から施行された. この法律によって,性同一性障害者は,性別適合手術の実施を含む一定の条件のもとで戸籍の性別変更ができるようになった. このような経緯を考慮して日本精神神経学会・性同一性障害に関する委員会は,「性同一性障害の診断と治療のガイドライン」(ガイドライン)の果たした役割について再度検証を加え,性別適合手術適応判定を倫理委員会にゆだねるのではなく医療チームの検討によって実施することを改変の骨子とした第3版ガイドラインを,平成18年1月に報告した.

医療チームの独立性が高まるなか,治療情報の普及に伴って多様な受診者が専門医療機関を訪れるようになった. そのなかで特に若年層での受診者の問題が浮上し,諸外国で実施されている二次性徴抑制ホルモンによる治療をガイドラインのなかにどう位置づけるかが,議論の焦点になった. 今回,日本精神神経学会・性同一性障害に関する委員会は,この点を中心に検討を重ね,第4版ガイドラインを作成した. 検討は直接面談による会議だけでなく,メーリングリストを用いたインターネット上でも続けられた.

※ガイドラインの本文は以下よりご参照ください。

性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン(第4版) (2011.11.19)(571KB)

第4版の主な改正点について

性同一性障害に関する診断治療のガイドライン第4版の主な改正点は、思春期前期の性同一性障害の症例に対する身体的治療(ホルモン療法)をガイドラインに含めたことにあります。 主な改正点は以下の通りです。

① 性ホルモン療法の開始年齢の引き下げ:性ホルモン療法開始可能年齢を条件付で15歳に引き下げる。 18歳未満で開始する場合には相応の慎重さが求められるため、開始を判断する医師の要件、観察期間などについてガイドラインを設定した。
② 二次性徴抑制治療をガイドラインに追加することとなった: GnRHa等による二次性徴抑制治療は、Tanner2期以上の二次性徴を起こしており、二次性徴の発来に著しい違和感を有する者に適応を検討する。 二次性徴発来以前には使用しない。 本人が12歳未満の場合には特に慎重に適応を検討する。 Tanner4期以降の者には、二次性徴がすでに進行しているため、GnRHa等は二次性徴抑制の目的で使用できない(月経停止などの目的で使うことは出来る)。
③ 18歳未満の者に性ホルモン療法を開始する場合、2年以上ジェンダークリニックで経過を観察し特に必要を認めたものに限定する。
④ 若年者に対する身体的治療の適応に際しては、法定代理人の承認を得たとしても、本人の意志能力に成人とは違った一定の制限が存在することから、その適否を決める医療関係者の適切な判断がこれまで以上に求められる。 二次性徴抑制、あるいは18歳未満でのホルモン療法開始を判断する2名の意見書作成者は、医療チームに所属して継続的に性同一性障害の診療を実施し、複数の身体治療に関する意見書を作成したものに限定する。 この特例は暫定的なものであり、将来は精神神経学会の認定する所定の研修を受けた者が意見書を作成する。
⑤ 二次性徴抑制、あるいは15歳以上18歳未満の者にホルモン療法を行う場合は、別掲の書式による報告書を日本精神神経学会・性同一性障害に関する委員会に提出する。

報告書

二次性徴抑制、あるいは15歳以上18歳未満の者にホルモン療法を行う場合は、以下報告書に記載の上、事務局宛てにお送りください。

「二次性徴抑制療法および18歳未満に対するホルモン療法の開始に関する報告書」(35KB)

 
 <報告書送付先>
 日本精神神経学会事務局
 〒113-0033 東京都文京区本郷2-38-4 本郷弓町ビル5F
 性同一性障害に関する委員会 事務局担当宛

 ※「二次性徴抑制療法および18歳未満に対するホルモン療法の開始に関する報告書」在中の
   旨、明記ください。
 

参考

過去ガイドライン第3版

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