学会案内About Japanese Society of Psychiatry

2017年 年頭の挨拶

2017年1月吉日

 昨年は、英国のEU離脱、シリアの混乱と各地でのテロ事件、大量難民の流入、ロシアによるクリミア併合、米国大統領選挙など予想外のことも多く、一挙に社会の不安定さが増したように思いますが、リオデジャネイロのオリンピック・パラリンピックでの日本選手団の活躍、大隅良典教授のノーベル医学生理学賞受賞などの良いニュースもありました。2017年の年頭にあたり、本学会の活動状況をご報告いたします。

 現在の日本精神神経学会にとっての最大課題は、新しい精神科専門医制度の構築と運営です。本学会では2015年6月の第111回総会時の代議員総会において、日本専門医機構のもとでの新しい精神科専門医制度を構築する方針を決定しました。そして、日本専門医機構との協議を繰り返した後に、9月の臨時代議員総会において日本専門医機構が提示する方針に沿った「精神科専門研修プログラム整備基準」と「精神科専門医更新基準」を承認し、両基準に基づいた新しい精神科専門医制度の規則とその細則とを決定しました。ところが、2016年5月に日本専門医機構執行部が入れ替えとなり、それまでの方針が大きく変更されました。本学会では、2017年度精神科研修はこれまでの学会専門医制度で行い、新専門医制度による研修開始は2018年度から導入することを2016年7月に発表いたしました。その後、多くの学会が新専門医制度の実施を一年間遅らせて2018年4月から行うことを決定しました。新制度での研修は2018年度からとなり最初の専攻医が研修を修了するのは2021年となりますが、それ以降は、すべての専門医が新しい制度での認定を受けることになっています。本学会においても、専門医常任委員会、専門医制度整備委員会を中心として新しい専門医制度を始めるための準備を重ねています。現在議論されている事項はサプスペシャリティについてでありますが、精神科領域の親学会として各分野の学会と協議を重ねながら、より良い専門医制度の全体像を構築していきたいと思っています。

 新専門医制度では基幹施設と連携施設からなる研修施設群において専攻医は3年間の精神科研修プログラムに従って研修することになります。専攻医の研修の進み具合をきめ細かくフィードバックして個々の専攻医の到達度を評価することが求められています。本学会ではこれまでの研修手帳にかわる精神科専攻医登録のオンラインシステムを構築し、円滑な研修プログラムが運営できるように準備を進めています。さらに、新しい制度における専門医更新、指導医認定・更新、研修施設群の認定・更新のシステムも構築して参ります。毎年4-500名の精神科専攻医が予想されますので、これらの精神科を希望する若い世代に十分な精神科研修プログラムを提供できるように学会の力を結集して努めているところです。次世代を担う精神科医師の養成は、学会だけでなく精神医学・精神医療に関わる全ての者にとって重要な課題であり、これまで以上に内容のある精神科専門医制度を構築したいと思っていますので、皆様方のご理解、ご協力をお願いいたします。


 本学会の学術集会に海外からの参加者も来られるようになり、本学会の活動がグローバル化してきていることを実感しています。本年は6月22-24日名古屋国際会議場にて第113回学術総会が開催されます。尾崎紀夫大会長の下で充実したシンポジウム、特別講演、教育講演などが準備されていますので、奮ってご参加いただきますようお願い致します。
 

公益社団法人日本精神神経学会
理事長 武田雅俊

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